寄生虫検査
回虫などの寄生虫は、農業肥料の改良や衛生状態が改善された事によって大幅に減少した。
しかしながら、自然農法などで人糞肥料を用いたり、衛生状態が不十分な国に出かけたり等した際に寄生虫に感染している事例が確認されている。
寄生虫の多くは消化管に住みつく特性を持っている為、便を採取しその中に寄生虫の卵が混ざっていないか否かを顕微鏡で調べ検査を行う。
人間ドックでも便による虫卵の検査を受けることが可能な病院もある。
1960年ごろ、4人に1人が保有しているとされていた蟯虫。
幼稚園・小学校の低学年を対象として行っていた蟯虫検査は、年に1度、定期的に行われていた検査で、朝起きた直後に検査テープにくっつけて調べるというものだ。
この検査を継続したことにより、保有率は1%以下にまで減少した。
この結果と費用負担を鑑みて、2016年4月より廃止に至った。
そのほかの寄生虫で思い浮かぶものと言えば「アニサキス」が有名だといえるだろう。
生魚を介して感染する寄生虫であり、食べた数時間後に胃痛を起こすことが知られている。
また、腹痛・嘔吐などの症状も特徴的であり、胃内視鏡検査で虫体を検出する必要がある。
胃以外の場所に寄生する可能性も考えられる為、血液中の抗体も調べる必要がある。そのほかにも、川や湖沼の貝に潜む「日本住血吸虫」や淡水魚の生食によって感染する「肝吸虫(肝ジストマ)」、北海道のキタキツネやペットの犬から感染する「エキノコックス」があり、疑われる寄生虫より必要な検査方法を導き出し、診断がなされたら適切な治療を行っていく。